ワッチャ英語とは? 単語は知っているのに聞き取れない英語の正体
海外で "Whatcha doin'?" と声をかけられて、固まってしまった。そんな経験はありませんか。
実はこれ、中学で習う "What are you doing?" のことです。単語はすべて知っているのに、聞こえ方がまったく違うため、聞き取れません。
ワッチャ英語とは
キキトルでは、実際に話される英語の、音がつながり、縮み、崩れた形を「ワッチャ英語」と呼んでいます。名前の由来は、その代表である "whatcha"(ワッチャ)です。
英語学では「連結」「脱落」「同化」などと呼ばれる現象です。ただ、用語を覚えるより、聞き取れるようになることが大切なので、ひとことで「ワッチャ英語」としました。
whatcha の正体
whatcha は、what のあとに続く短い言葉が、ひと続きの音になったものです。元の形は、主に次の3つです。
| 元の形 | 例 |
|---|---|
| What are you | What are you doing? → Whatcha doin'? |
| What do you | What do you think? → Whatcha think? |
| What have you | What have you got there? → Whatcha got there? |
同じ「ワッチャ」でも、元の形が3つあります。そのため、どれなのかは、あとに続く言葉(doin'、think、got)から判断します。
ほかにも "What did you say?" が "Whatcha say?" になるように、did you から変わる場合もあります。
例1: Whatcha doin'?(= What are you doing?)
「ワット・アー・ユー」と3つに区切るのではなく、「ワッチャ」とひと続きで流れます。doing の最後も、「イング」ではなく「イン」と軽く終わります(doin')。
例2: Whatcha got there?(= What have you got there?)
こちらは have you が元の形です。have はほとんど聞こえず、「ワッチャ」だけが耳に残ります。
なぜ聞き取れないのか
理由は、大きく3つあります。
1. 短い言葉が弱くなる are、do、have のような、文の意味をほとんど決めない言葉は、弱く発音されて、ほとんど聞こえなくなります。
2. t と you が混ざって「チャ」になる what の最後の t と you が混ざり、「チャ」の音になります。"meet you" が "meechu" に聞こえるのと同じ仕組みです。
3. 一語ずつ待つ耳になっている 教材の音声に慣れると、単語が区切られて来るのを待つ耳になります。そこに "whatcha" という塊が来ても、単語として見つかりません。
ワッチャ英語は whatcha だけではない
よく使われる形は、ほかにもたくさんあります。
| 元の形 | 実際の音 |
|---|---|
| want to | wanna |
| going to | gonna |
| got to | gotta |
| did you | didja |
| kind of | kinda |
どれも、文字では別の言葉に見えますが、元の形を知れば、聞き取れる音です。
聞き取るためにできること
- 塊で覚える: "Whatcha doin'?" を、ひとつの言葉として覚えます。
- 元の形とセットで覚える: whatcha は、are you・do you・have you の3つが元になります。
- 定番の場面から慣れる: 空港、ホテル、レストランなど、決まった質問を、実際の音で繰り返し聞きます。
聞き取れれば、返す言葉は簡単です。
Not much.
Just a souvenir.
「言えない」ことより、「聞き取れない」ことのほうが、海外ではつらいものです。まずは、ワッチャ英語の音に、耳を慣らすことから始めてみてください。